イスラエル、入植地で住宅400戸建設へ ナイフ襲撃事件受け
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【7月28日 AFP】イスラエルのアビグドル・リーベルマン(Avigdor Lieberman)国防相は27日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)内の入植地に住宅400戸を建設すると明らかにした。同地区でイスラエル人3人がパレスチナ人に刃物で襲われ、1人が死亡した事件を受けた措置だという。
イスラエルメディアなどによると、ヨルダン川西岸で26日夜に発生した事件では、パレスチナ人の男がフェンスをよじ登って入植地アダム(Adam)に侵入。無差別に3人を刺した後、射殺された。イスラエル軍は、男に刺殺されたのはヨタム・オバディア(Yotam Ovadia)さん(31)だと公表している。同国メディアによれば、オバディアさんには2人の子どもがいるという。
パレスチナの公式メディアは後に、犯人はコバル(Kobar)村出身で17歳のモハメド・ダル・ユセフ(Mohammed Dar Youssef)容疑者と特定。翌27日にイスラエル軍は村に進攻し、ユセフ容疑者の家族を尋問。一家への労働許可を一時的に停止させた。
事件を受けてリーベルマン国防相は27日、「テロリズムに対する最良の答えは入植地の拡大だ」とツイッター(Twitter)に投稿。エルサレム北方の入植地アダムで新たに住宅400戸を建設すると発表した。
イスラエルの入植地拡大はイスラエルとパレスチナ間の和平交渉における最大の障害の一つとなっているというのが大方の見方だが、イスラエルはこの見解を受け入れていない。これに対して多くのパレスチナ人が、ヨルダン川西岸でのイスラエル人襲撃は、入植地拡大に抵抗する手段だとして支持している。
その一方、イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)南部では、リーベルマン氏による入植地拡大の発表に先立ち、子ども1人を含むパレスチナ人2人がイスラエル兵に頭部を撃たれて射殺されたと、ハマスの保健当局者が明らかにしている。(c)AFP/Abbas Momani