【7月28日 AFP】パキスタンで25日に行われた国民議会(下院)総選挙で、同国の選挙管理委員会は27日、クリケットの元スター選手、イムラン・カーン(Imran Khan)氏(65)が率いる野党・パキスタン正義運動(PTI)が大勝したとの開票結果を発表した。ただ単独過半数の獲得にはならず、他党との連立政権を樹立する必要がある。同選挙は国外の監視機関から不正の疑いが指摘されており、各主要政党はこの結果を拒絶し、選挙のやり直しを要求した。

 今回の選挙では、強力な実権を持つ軍がカーン氏に有利になるよう仕向けようとしているとの批判が投票の数か月間前から広まり、「パキスタンで最も汚れた選挙」との烙印が押されている。欧州連合(EU)の選挙監視団は「機会の公平において重要な欠点」があったと懸念を表明。2013年の前回選挙ほど「良くない」とした。

 パキスタン選挙管理委員会(ECP)の27日の発表によれば、一部を残し票の集計が終わった段階で、カーン氏率いるPTIは116議席を獲得して他党を大きくリードしており、第1党となる。だがPTIの獲得議席は単独政権に必要な137には届かなかった。

 専門家らは以前から、カーン氏が政権に就くのであれば連立を組む必要があると予測していた。それでも今回の大勝は驚きを持って受け止められ、投票に不正があったとの疑いを助長している。現与党・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)を含む政党連合「全党協議会(All Parties Conference)」は27日、選挙のやり直しを求める抗議行動を実施する意向を表明した。(c)AFP/Sajjad TARAKZAI