【7月28日 CNS】人工知能(AI)を利用した犯人逮捕劇が、中国・浙江省(Zhejiang)で繰り広げられた。AIが容疑者の行動経路を割り出すまでに20分しかかからなかった。

 逮捕された銭容疑者夫婦は、衢州市(Quzhou)の人工湖で、2012年から6年間にわたって、電気ショックを利用して魚を盗んでいた疑いが持たれていたが、証拠不十分でこれまで逮捕することができなかった。だが、11日、AIの眼に捕らわれた。被害総額は60万元(約980万円)に上るという。

 銭容疑者夫婦は、違法に獲った魚を市場や飲食店に売りさばいていた。電気ショック漁法は環境を破壊するとして、中国で禁止されている。

 銭容疑者夫婦は、法律に引っかからないぎりぎりの重さの水産物しか持ち歩かず、警察は逮捕できなかったという。また、人がたくさん行き交う市場などを転々としていたため、警察の手元には、はっきりと顔を認識できない写真が3枚あるだけだった。

 同市は17年から、阿里巴巴(アリババ、Alibaba)の阿里雲(アリクラウド、Alibaba Cloud)を活用した「ET都市大脳(ET City Brain)」の試験都市に選ばれている。同市警察は、アリババのビジュアル・ コンピューティングチームの協力のもと、市内の監視カメラの映像分析を行い、銭容疑者夫婦が映った100枚もの映像をAIに識別させたところ、たった20分ほどで銭容疑者夫婦が頻繁に魚を売りさばいていた市場や飲食店を含むルートを割り出した。(c)CNS/JCM/AFPBB News