イスラエル紙、首相を「動物農場」の豚に見立てた漫画家を解雇
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【7月27日 AFP】イスラエルの英字紙エルサレム・ポスト(Jerusalem Post)は26日、同紙が発行する報道誌で、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相を英作家ジョージ・オーウェル(George Orwell)の政治風刺小説「動物農場(Animal Farm)」に登場する豚に見立てた漫画家を解雇したと発表した。
イスラエル議会は先週、自国をユダヤ人の国家と定める「ユダヤ国家法」を採択。同法では、ユダヤ人には民族自決の特有の権利があると規定しており、非ユダヤ系イスラエル人に対する差別に当たるとの批判も上がっている。
これを受けて同紙が刊行する報道誌「エルサレム・リポート(Jerusalem Report)」は、漫画家アビ・カッツ(Avi Katz)氏が描いた諷刺イラストを掲載。
同法採択後に、豚として描かれたネタニヤフ首相と右派与党リクード(Likud)の議員らが、記念の自撮り写真を撮影するというもので、オーウェルの「動物農場」から「全ての動物は平等である。ただし一部の動物はより平等である」という有名な一節を添えた。
ユダヤ法では豚は不浄とみなされ、豚肉を食べることも禁止されていることから、国内の一部読者の怒りを招いた。
エルサレム・ポストは、カッツ氏はこれまでにも波紋を呼ぶ絵を描いてきたが、今回の作品はとりわけ攻撃的な内容だったとして、同氏のイラストの掲載中止を決めたと説明している。(c)AFP