中国農村の産業振興 脱・出稼ぎ目指し
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【7月28日 CNS】李娟さん(仮名)は中国・河南省(Henan)遂平県(Suiping)大里王村の村民だ。農村の種々の優遇補助政策の実施に伴い、観光農業や農村Eコマースなどの産業が生まれ、李さんの生活に大きな変化が起こっている。
河南省は農業がさかんで、小麦とトウモロコシなどの作物が主な産品だ。李さんはここで40年、作物を育ててきた。
「我が家は6人で6670平方メートルの土地を与えられ、667平方メートル当たり補助金を1500元(約2万4500円)もらっている」と李さんは言う。「昔ならありえなかった。10年前だったら、税金代わりに村まで作物を納めに行ったものさ」
国は2004年からは、糧食作物の作付け促進と糧食農家の増収を目的とし、3種類の補助金の支給を始めた。15年になると、これら補助金の改革が行われ、国の糧食農家に対する補助金は増えることはあっても減ることは無かった。
李さんは、「今は国の補助金が全面的に支給され、農機具を買うにも負担を軽くするため一定の補助がある」と話す。
■農村で新興産業相次ぐ
農村では近年、Eコマースなどが経済発展の新しい原動力になっている。
今年上期、中国の農村での観光事業はのべ16億人を受け入れた。全国の農村のEコマース業者は980万戸を数え、就業者数は2800万人を超える。
中国・農業農村部農産品加工局の潘利兵副局長は6月15日の記者会見で、農村に帰り創業した大学生や出稼ぎ農民工、退役軍人などの人数は740万人を超えたと述べた。
河南省の李さんいわく、「友人の息子は大学を卒業後、ネットショップを開店し、当地の農産品を専ら売っている。数日前にも、大豆を買い付けてネットで売ると話していた」。
李さんが記者に語った物語は、中国農村が目まぐるしく変わりつつある状況の縮図とも言える。
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