【7月27日 AFP】米政府は26日、不法入国者を厳格に取り締まるドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策によって対メキシコ国境で引き離された移民の親子数百組が、連邦地裁が命じた再会の期限を過ぎたにもかかわらず、いまだ再会を果たせていないと発表した。

 カリフォルニア州の連邦地裁は、要件を満たしている移民の親子を26日午後6時(日本時間27日午前7時)までに再会させるよう命じていた。当局が裁判所に明かしたところによると、これまでに5歳以上の子ども1442人が、家族との再会を果たしたという。

 政府は、「裁判所に説明した移民家族の再会計画は進んでいる。現時点では、移民家族の再会を求める集団訴訟の原告のうち要件を満たす人全員が、裁判所が定めた期限の2018年7月26日までに再会する見込みだ」と述べていた。

 家族と再会を果たせなかった子どものうち378人が米当局の保護下から別の「適切な環境」に移されたが、今もなお700人以上の子どもが米当局の保護下に置かれているという。

 政府は、家族の結び付きが確認できない場合や両親に犯罪歴がある場合、伝染病にかかっている場合、家族が見つからない場合は再会させる要件を満たさないと指摘。要件を満たす家族はすべて再会させたので、裁判所の定めた期限は守ったと主張している。

 物議を醸しているこの親子の引き離しは、今年5月に不法移民が一斉検挙された際、その子どもが拘置施設や保護施設に送られたことで始まった。引き離された移民親子の再会を求めて訴訟を起こした米国自由人権協会(ACLU)は26日、政府は数字を操作し、あたかも引き離された親子の再会に成功したかのような誤った印象を与えていると指摘していた。(c)AFP