【7月26日 AFP】火星の地中にある巨大な湖の存在を初めて確認したとの論文が25日、米科学誌サイエンス(Science)で発表された。火星にさらに多くの水や生命体が存在する可能性を高める発見だ。

 イタリアの研究者らが率いる国際天文学チームが発表した論文によると、湖は火星の氷床の下に存在し、幅は20キロほど。火星で見つかった液体の水としては過去最大の量となる。

 湖の存在は、欧州宇宙機関(ESA)が2003年に打ち上げた火星探査機マーズ・エクスプレス(Mars Express)が搭載するレーダー機器によって検知された。イタリア宇宙機関でマーズ・エクスプレスのミッションを担当するエンリコ・フラミーニ(Enrico Flamini)氏は記者会見で、「水は存在する。もはや疑いはない」と語った。

 湖は深さ1.5キロの地中に存在し、氷床下の厳しく極寒の環境にあり、泳いだり飲み水として利用したりはできないという。水温は純水が凍る温度よりも低いとみられるが、マグネシウムやカルシウム、ナトリウムの存在により液体の状態が保たれている。

 生命が存在できるかは不明で、専門家の中には、水温が非常に低く塩分濃度も高いことや、水中に多くの鉱物が溶け込んでいることから、生命存在の可能性を疑問視する声もある。(c)AFP