【7月25日 AFP】24日に行われたツール・ド・フランス(2018 Tour de France)の第16ステージ(カルカソンヌからバニェールドリュション、218キロメートル)で、現地の農家が大会の進行を妨害し、憲兵隊が使用した催涙スプレーが選手の目や口に入るアクシデントがあった。レース主催者は農家の行動を非難している。

 この日のツールでは、スタートから26キロメートルほどの地点で、農地の縮小に抗議するオード(Aude)県の農家が干し草の束を道に置いたり、50頭ほどの羊を放ったりしてレースを妨害した。

 そして、農家を追い払おうとして憲兵隊が使用した催涙ガスが風に流され、総合首位に立つチームスカイ(Team Sky)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)や、マイヨヴェール(グリーンジャージー)をまとうボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)らの顔にもかかった。結局レースは15分ほど中断してから再開された。

「最終的に問題はなかった」と話した総合首位のトーマスだが、水で目を洗い、うがいをしなければならなかった。大会スタッフから目薬を渡されたサガンは「トウガラシスプレーを目に浴びたみたいな感じで、呼吸に影響もあった。直接的ではないけど、空中に漂っていたからね。ただ、10分もしたら問題なかったよ」と話している。

 しかし、大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏は「自転車ロードレースにはそもそも危険がつきもの。その危険が余計に増すようなことがあってはならない。選手はすでに十分なリスクを背負っている。はっきり言う。われわれは、選手がスムーズに走行できるようにする必要がある」と憤った。

 オード県は「道をあけようとしない反抗的な抗議者に対し、憲兵は彼らを追い返し、障害物を取り除くための行動を取らざるを得なかった。大会主催者は、集団が進路に舞った催涙ガスの影響を受けたため、レースを約15分中断する決断を下した」と発表し、この件の調査を始めたことを明かした。(c)AFP/Justin DAVIS