【7月22日 AFP】ロシアの宇宙開発機関、機械製造中央科学研究所(Central Research Institute of Machine-Building)は20日、職員が欧米に情報を漏えいした疑いで連邦保安局(FSB)の強制捜査を受けた。日刊紙コメルサント(Kommersant)が複数の捜査関係者の話として報じた。

 コメルサントによるとFSBは「ロシア産業による超音速技術の進展に関する秘密情報」を欧米の情報機関が入手したことを突き止め、20日朝にモスクワ郊外の都市コロリョフ(Korolyov)にある機械製造中央科学研究所を強制捜査したという。捜査は「大逆罪」に関するもので、10人前後に「欧米の情報機関に協力した」容疑がかけられている。同研究所は国営宇宙企業ロスコスモス(Roscosmos)の傘下機関。

 コメルサントによると、モスクワでも宇宙ロケット企業エネルギア(Energia)の調査分析センター長、ドミトリー・パイソン(Dmitry Paison)のオフィスの捜索が行われた。国営ロシア通信(RIA)が関係者の話として報じたところによると、パイソン氏は機密情報へのアクセス権はないが、事情を知っているとみられている。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は3月に行った年次教書演説で、極超音速ミサイルなどの「無敵の」新兵器を開発中だと豪語していた。(c)AFP