フェイスブックが米データ解析会社のアクセス停止 規約違反か調査
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【7月22日 AFP】交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)は、米東部マサチューセッツ州ボストンのデータ解析企業クリムゾン・ヘキサゴン(Crimson Hexagon)によるサイトへのアクセスを停止し、米政府やロシアの非営利団体とクリムゾン社の契約が規約違反に当たるかどうか調査していると表明した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が20日夜に報じた。
クリムゾン社によると、同社は広告閲覧者の解析や、ブランド認知と施策の成果に関する追跡調査のためのプラットフォームを提供しており、顧客には米国の大手企業もいる。
ウォールストリート・ジャーナルはクリムゾン社に詳しい人々の話として、同社はフェイスブックから公開データを抽出する一方、政府との契約について事前にフェイスブックの承諾を得ていなかったと報道。政府調達のデータを引用し、米国の政府機関は2014年以降、契約22件の合計で80万ドル余りを同社に支払ったと伝えた。
同紙によれば、クリムゾン社は自社の解析プラットフォームをトルコやロシアを含む国外で販売し、2014年にはロシア政府と関連のある非営利団体と事業を行った。また、同社は少なくとも1回、フェイスブック傘下のインスタグラム(Instagram)から非公開データを誤って取得したとみられる。
一方、同紙が伝えたフェイスブック広報の話では、フェイスブックはクリムゾン社にさらなる証拠の提出を要請しているものの、「これまでの調査に基づく限り、クリムゾン・ヘキサゴンによるフェイスブック、インスタグラムの情報の不適切な取得はなかった」という。
クリムゾン社のクリス・ビンガム(Chris Bingham)最高技術責任者(CTO)は20日のブログ投稿で、同社はソーシャルメディア上の公開されているデータのみを収集しているとし、こうした行動は「完全に合法だ」と説明した。
またビンガム氏は、同社はフェイスブックのような「データパートナー」の規約を確実に順守するため、政府系の潜在顧客について日常的に入念な調査を実施していると述べた。(c)AFP