【7月21日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタで8月に開幕する第18回アジア競技大会(18th Asian Games、Asiad)をめぐり、悪臭を放ちながら選手村近辺を流れる川が、大会の「汚点」になりかねないとの懸念から、黒いナイロン製の網で覆われた。

 多種目競技大会としては五輪に次ぐ世界第2の規模を誇る同大会は、8月18日から9月2日までジャカルタおよび南スマトラ(South Sumatra)州パレンバン(Palembang)で開催され、45か国から選手約1万1000人と役員5000人が参加する。

 ジャカルタ当局は大会に先立ち、会場の整備や建設工事、市内の交通渋滞を解消するための道路拡張などを急ピッチで進めてきた。だが選手村に接して流れる川をよみがえらせることは突貫工事では間に合わなかったとみえ、当局は今週、この川を人目に触れさせない策を講じることに決めた。

 地元住民から汚れて濁った外観ゆえに「黒い川」と呼ばれている、長さ約730メートルのセンティオン(Sentiong)川をめぐり、AFPの取材に応じたジャカルタ水資源局の職員は、黒い網で覆う作戦について明らかにした。

 日刊紙コンパス(Kompas)は、「(網をかける)目的は、黒い川が国外の選手の目に直接触れないよう(川の)美観を高めることにある」という別の職員の話を伝えている。

 当局は黒い網をかけることで、日差しを浴びて川の水が蒸発する際にも生じる悪臭が最小限に抑えられるのではないかと期待している。(c)AFP