【7月20日 AFP】スペイン最高裁判所は19日、北東部カタルーニャ（Catalonia）自治州から国外に逃れたカルレス・プチデモン（Carles Puigdemont）前州首相ら独立派指導者に対する欧州逮捕状と国際逮捕状を取り下げた。これにより、プチデモン氏らが他国で拘束され、送還されることはなくなった。

　逮捕状は、失敗に終わった昨年10月のカタルーニャ州独立の試みに関わる反逆などの容疑に基づいて出されたもの。スペイン最高裁のパブロ・ヤレーナ（Pablo Llarena）判事は昨年12月にも、プチデモン氏らが滞在していたベルギーの当局が容疑の一部を認めない恐れがあるとして、欧州・国際逮捕状を取り下げていたが、今年3月に再発効させていた。

　ヤレーナ判事は今回の判決文で、ドイツの裁判所が今月、プチデモン氏の送還に同意したものの、公金不正使用の容疑のみが対象で、反逆容疑での送還は対象外だったことから、逮捕状の取り下げを決定したと説明した。

　この判決により、ドイツで送還手続きを待っていたプチデモン氏や、英スコットランド、ベルギー、スイスに分かれて滞在している他の独立派指導者5人は、それぞれが自由に国境を越えられるようになった。ただし、スペインでの逮捕状は引き続き有効なため、帰国すれば拘束されることになる。

　プチデモン氏はツイッター（Twitter）上で、逮捕状の取り下げは「この法廷論議が抱える大きな弱みを示す」ものだと指摘した。(c)AFP