【7月19日 AFP】英イングランド南西部ソールズベリー(Salisbury)でロシア人の元二重スパイとその娘が神経剤「ノビチョク(Novichok)」で襲われた事件で、英警察が容疑者らを特定したとの見方を示した。英通信社プレス・アソシエーション(PA)が19日、伝えた。

 PAは捜査に詳しい情報筋の話として、「捜査当局は、防犯カメラの映像から容疑者らを特定したとの見方を示しており、その前後の入国者記録との照合を行った」と報じた。

 この情報筋はさらに、「捜査当局は容疑者らがロシア人であると確信している」と明かしたという。

 ロンドン警視庁(Metropolitan Police、Scotland Yard)はAFPの取材に対し、この報道に関するコメントは差し控えるとした。

 元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏と娘のユリア(Yulia Skripal)さんは3月4日、ソールズベリー市内で意識を失っているところを発見された。2人はその後体調を回復している。

 スクリパリ氏はロシア軍の情報機関に所属していた元大佐で、同時に英対外情報部「MI6」のスパイとしても働いていた。反逆罪によりロシア国内で収監されていたが、2010年のスパイ交換以降はロシアから英国へ亡命した。

 英国はロシア政府による毒殺未遂だと非難してきたが、ロシアは事件への関与を強く否定。事件は外交危機に発展し、英国とその同盟諸国対ロシアの間で外交官を国外退去処分とする報復合戦を招いた。(c)AFP/Robin MILLARD