【7月21日 AFP】大人気の電動キックスケーターのシェアリングサービスは、どれくらいのスピードで拡大しているのだろうか?

 米サンフランシスコなどの都市の通りでサービスが開始され、市民に迷惑だと認識され、地元政府が規制の検討を始めるぐらいのスピードだ。多額の投資を引き寄せ、動きの速いスタートアップ企業は何十億ドルにも及ぶ評価額に達している。

 米首都ワシントンD.C.では、自転車専用道路を電動キックスケーターが走る姿をよく見かけるようになった。最高速度は時速25キロと非常に速く、禁止の警告に反し歩道で走っている人もしばしば見る。

 電動キックスケーターは、「ドックレス」と呼ばれるシェアサービスで貸し出されている。どこへでも乗り捨てることができ、スマートフォンのアプリで鍵を開けたり車両の位置を確認したりできる。シェア自転車のスタートアップと同じようなビジネスモデルを採用している。

 多くの企業で解錠に1ドル(約110円)かかるほか、利用料金は1分15セント(約17円)、10分2ドル50セント(約280円)となっている。

「利用者にとっても、企業にとってもビジネスは好調だ」と、スキップ・スクーターズ(Skip Scooters)のサンジェイ・ダストゥール(Sanjay Dastoor)CEOは語る。同社はワシントンD.C.から許可を得たスタートアップ4社の1社で、400台の電動キックスケーターを展開している。

 ダストゥール氏は具体的な数字は明らかにしなかったが、短時間利用の料金は高くないが、同社は電動キックスケーターの費用をすぐに回収できると述べた。

 今年だけでも、米国内の十数か所の都市や大学で電動キックスケーターのシェアサービスが導入されている。カリフォルニアを拠点とするライムバイク(Limebike)は6月22日、海外展開の一環としてフランスのパリで電動キックスケーターのシェアサービスを開始した。

 電動キックスケーターは、子どもの乗り物だったキックスケーターにテクノロジーを加えたもので、自動車に頼らずに公共の交通機関から目的地までの「ラストマイル(ちょっとした距離)」を埋める見事な解決策になる可能性を秘めている。(c)AFP/Rob Lever