【7月18日 AFP】国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は17日、米国のイラン核合意離脱をめぐり、イラン政府が米国による経済制裁の即時解除を求めて提訴したことを明らかにした。

 提訴は16日付。イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相はツイッター(Twitter)で「米国に違法で一方的な制裁の責任を取らせるため」と説明した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は今年5月、関係国の反対を押し切って、2015年にイランと欧米などが結んだイラン核合意からの離脱を表明。イランの核開発の抑制と引き換えに解除されていた対イラン制裁の再開を決め、多くの多国籍企業が事実上、イラン国内で事業を行えなくなった。

 米国はイランに対して、欧州などの企業との取引や原油輸出を阻むべく、核関連の制裁を8月と11月の2段階に分けて再開する方針。

 ICJによると、イランは「イランとイラン企業、イラン国民を直接・間接に対象とする制裁と制限措置を完全に再発動するという米国の2018年5月8日の決定」に関連して訴訟を提起。制裁再開には、米国と革命前の王制イランが結んでいた1955年の友好経済関係条約(Treaty of Amity and Economic Relations)に違反するものだと主張している。(c)AFP