タイ洞窟救出豪ダイバーに外交特権、「失敗しても訴追免除」 報道
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【7月16日 AFP】タイの洞窟に閉じ込められたサッカーチームの少年らの救出活動に参加したオーストラリア人ダイバー2人が、救出活動が失敗しても訴追対象とならない外交特権を得ていたと、豪ABCが16日報じた。
タイ語で「イノシシ」という名のサッカーチームの少年らは、タイ北部のタムルアン(Tham Luang)洞窟に18日間閉じ込められていたが、タイ海軍特殊部隊と洞窟潜水を専門とする外国人エリートダイバーらによる大きなリスクを伴う3日間の救出活動が奏功し、メンバー全員が無事脱出した。
オーストラリアからも、麻酔医のリチャード・ハリス(Richard Harris)氏とダイビングパートナーのクレイグ・チャーレン(Craig Challen)氏という2人の洞窟潜水専門家が救出活動に加わり、重要な役割を担った。
ABCが当局筋の話として伝えたところによると、オーストラリアとタイの当局が交渉し、危険な救出作業が失敗した場合でも訴追対象とならない外交特権を与えた上で、両氏の参加が決まったという。
豪外務省はこの報道について肯定も否定も差し控えるとし、救出活動の計画・実行に関してはタイ当局に問い合わせるよう促している。
ダイバーのチャーレン氏は帰国後地元メディアの取材に対し、救出活動が「まさに生死を分ける」内容で、少年12人とコーチ1人の全員を無事救い出せる確証はなかったと振り返った。
また同氏は少年らに対し「投薬を行った」ことを認め、「あの場で子どもたちをパニックに陥らせるわけにはいかなかった。子どもたち自身が死亡し、救助者が巻き添えになる恐れもあった」と説明した。
両氏はさらに、事前に地元の子どもたちの協力を得て近隣のプールで練習した上で、洞窟内の少年らに対し、ウエットスーツや救命胴衣、顔全体を覆うマスクの着用訓練を行ったことも明かした。(c)AFP