マウスもサンクコスト嫌う? 「せっかく」の心理明らかに 研究
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【7月17日 AFP】経済学では、人は何かのプロジェクトなどに時間やお金を費やしている場合、たとえ成功の見込みが低くても、なかなか手を引けない傾向にあることが知られている。マウスとラットも、それと同じような「弱点」を備えているとみられること示す研究が12日、米科学誌サイエンス(Science)で発表された。
経済学者によれば、これには、「サンクコスト(埋没費用)」と呼ばれる要因が関係している。例えば、ある国営事業がもはや国益にかなっていないにもかかわらず、せっかく多額の資金をつぎ込んできたのだからという理由だけで資金を投入し続けるのは、意味がない。
長年、研究者らは、こうした問題で動物も人間と同じように行動するのかを研究してきた。つまり、それまでに労力を費やしたというだけの理由で、対象物に執着心を抱くのかどうかという問題だ。
米ミネソタ大学(University of Minnesota)の神経科学、心理学などの三つの研究室で、マウスとラット、そして人間についての共同実験が行われた。
論文の共著者、ミネソタ大学のデービッド・レディッシュ(David Redish)教授(神経科学)は結果について、AFPの取材に「マウス、ラット、人間はいずれも、かなり似たような振る舞いを見せた」と話した。