【7月16日 AFP】フランスが2回目の優勝を果たした15日のサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)決勝で、後半途中に警察官の格好をした複数の人物がピッチに侵入した件で、政治的な抗議メッセージの色の強い活動を特徴とするロシアの女性パンクバンド「プッシー・ライオット(Pussy Riot)」が、侵入は自分たちの計画したことだと主張している。

 モスクワのルジニキ・スタジアム(Luzhniki Stadium)で行われたフランス対クロアチアの試合では、後半の途中に警察官に扮(ふん)した女3人、男1人がピッチに侵入し、試合が一時中断する場面があった。4人は警備員に取り押さえられた後、激しく抵抗する様子もなくピッチから出され、保安関係者の話によれば、全員近くの警察署へ連行されたという。

 プッシー・ライオットはこの直後、SNSにメッセージを投稿。侵入は自分たちがやらせたことだと主張すると、「すべての政治犯の釈放」や、平和的な抗議デモ参加者の逮捕の停止、「政治的競争のあるロシアの実現」など、六つの政治的要求を出した。試合はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も現地で観戦していた。

 プッシー・ライオットは、2012年2月にモスクワのロシア正教会の大聖堂で抗議歌を演奏し、メンバー3人が「宗教嫌悪を動機とするフーリガン行為」で有罪となり、禁錮刑を科された件が良く知られている。3人はその後に釈放されたが、裁判は世界各国のメディアから注目を集め、人権団体による抗議活動も行われた。(c)AFP