【7月14日 AFP】インドネシア・スマトラ(Sumatra)島のパーム油農園で12日、スマトラゾウの死骸が発見された。当局は13日、意図的に毒殺された可能性があるとの見解を示した。

 10歳になる雌のスマトラゾウの死骸は、同島の北アチェ(North Aceh)県の村で発見された。この農園で2015年以降、毒殺されたとみられるゾウは、これで3頭目。

 アチェ州の環境当局幹部はAFPに対し、粉の痕跡がある果物と小袋がゾウの体内から見つかったと明かし、「毒に対する典型的な反応として、ゾウの肝臓と脾臓(ひぞう)が黒く変色していたことから、ゾウは意図的に毒殺されたとみている」と述べた。

 当局者によると、ゾウは発見された時点で死後3日ほど経過していたとみられる。

 絶滅の危機に瀕するスマトラゾウは、農園開発による伐採が進行した結果、生息地が減少。住民との間で摩擦が生じている。

 昨年、アチェ州では少なくとも11頭のスマトラゾウが死に、その多くは人間に殺されたものとみられる。

 環境省はアチェ州におけるスマトラゾウの個体数は500頭前後と推定している。(c)AFP