【7月14日 AFP】15日に行われるサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)決勝でレ・ブルー(Les Bleus、フランス代表チームの愛称)が勝利を収め、群衆が沿道でお祭り騒ぎを繰り広げる事態に備え、フランス当局は全土で合計11万人規模の警察官と警備員を配置して安全を確保することになっている。決勝前日の14日は同国の革命記念日(Bastille Day)であることから、騒動は複雑化すると想定され、警備態勢は大規模なものとなっている。

 ほとんどのフランス国民にとって、革命を祝う祝日のパーティーや花火大会といえば、2年前に地中海沿岸のリゾート地ニース(Nice)で86人が犠牲になったトラック突入事件を思い起こすものとなっている。AFPの調査によると、ここ数年で何度も過激派のターゲットになっている同国では、2015年1月以降246人の命が奪われている。

 ジェラール・コロン(Gerard Collomb)内相は13日、「テロリストの脅威は依然として高いレベルではあるが、準備はすべて整えてあり、フランス国民は心穏やかにイベントを祝うことができる」と述べた。この週末に備えてパリとその近郊だけでも、安全確保のために1万2000人もの警官が配備されているほか、3000人の救急医療スタッフが待機しているという。

 革命記念日は、13日夜の花火大会やストリートダンスなどのイベントで幕を開ける。14日にはエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領出席の下で軍事パレードや空軍の儀礼飛行が行われるほか、1万人が押し寄せるとみられるエッフェル塔(Eiffel Tower)の近くでは、花火が打ち上げられる予定となっている。

 どちらのイベントも警官が周囲を取り囲んで警備に当たることになっており、昨年可決されたばかりの厳格な対テロ法で新たに与えられた警察の権限によって、観光客が訪れる場所は限られる上に身体検査や持ち物の確認なども行われる。

 エッフェル塔はもともと14日は休業日となっていたが、警察からの要請でフランス対クロアチアのW杯決勝が行われる15日についても、近くで巨大スクリーンによるライブビューイングがあるため閉鎖することになった。この観戦イベントでは9万人収容のファンゾーンが設けられており、全土でも約230か所で同様のイベントが行われることになっている。(c)AFP/Joseph Schmid