動画:中国西部タイテマ湖を縦断する道路 かさ上げで湖面上昇に対応
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【7月28日 Xinhua News】新しく建設された一本の高速道路が、中国西部の行く手を阻むタクラマカンとクムタグの二大砂漠が「握手する」湖地区を縦貫している。この湖地区は、かつて一度は干上がったが、苦難の末ついによみがえり、澄み切ってきらめく湖面が再び姿を現した。
この湖こそタイテマ湖だ。タリム盆地の生命と文明を育んだ中国最大の内陸河川であるタリム川の変遷を見届けてきた湖である。かつてはタリム川の中流域で、後に下流部となり、ついに1972年に完全に干上がってしまったタイテマ湖だが、300キロ余り離れたロプノールと異なり、18年、19回にわたる生態学的水輸送の末によみがえった。
タイテマ湖を縦貫するこの道は、タクラマカン砂漠の東の端沿いに新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州ロプノール(尉犁)県からチャルクリク(若羌)県を経て、アルチン山脈を越え、青海省との境界に至る新疆外部へ通じる高速道路であり、タクラマカン沿線の県や市から新疆北部や外部へ行く時間を大幅に短縮した。このうちG0711線の、新疆生産建設兵団第2師団35団とチャルクリク間の14.5キロの区間でタイテマ湖を縦貫している。
高速道路と既存の国道218号線は並行して走っている。国道建設当時、タイテマ湖はまだ干上がっていたが、近年になって路面が湖水に水没する状況が多発したため、やむを得ず道筋変更とかさ上げを行った。高速道路設計時にすでに湖の水位上昇速度を考慮して、路面は国道より高く設計されていたが、湖の水位上昇のスピードは予想を超えていた。長期的見地から、湖地区内の道路は平均45.9センチ、最も高いところで1.41メートルかさ上げされた。
道路が水面に合わせて「背が伸びた」ほか、タイテマ湖地区の水流が干渉を受けないよう確実に保証するため、全長96.95キロのG0711線35団-チャルクリク間に大型橋2基、中・小型橋29基、暗渠110本を設置した。
中国交通建設股份有限公司「烏尉プロジェクト」SRTJ-02区間の工程管理部 陳峰副部長
平均して400~500メートルごとに、暗渠か橋を1つ設置していることになる。主な目的はタイテマ湖の水の自由な流動性確保だ。
【解説】タイテマ湖の再生によって、ここは野生動物と水鳥の楽園となった。作業員は時間があればイノシシやキツネを撮影しており、水鳥に至っては毎日見られる。現地の環境を守るため、工事作業員は定期的に生活ゴミや産業ゴミを最寄りのチャルクリク県に輸送して処理し、生活用水もチャルクリクの県庁所在地から引いている。
2017年10月12日の衛星リモートセンシングデータによると、タイテマ湖は最大で511平方キロを超える湖面を形成し、1959年以来の史上最大値を記録、下流の川が30年間にわたって干上がっていた歴史に終止符を打った。(c)Xinhua News/AFPBB News