ネパール 「サイ外交」で中国との関係強化へ 雄と雌を寄贈
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【7月13日 AFP】ネパール政府は12日、中国に雄と雌のイッカクサイ計2頭を寄贈した。この「サイ外交」を通じて、ネパールは自国への主要な投資国である中国にさらに接近したい考えだ。
若いイッカクサイの雌「ルドラ(Rudra)」と雌の「ルプシ(Rupsi)」は、ネパールの専門家チームが同乗したチャーター機で中国・広州(Guangzhou)省に送られた。2頭は同省の自然動物園で飼育される。これとは別の雄と雌も、ネパールから中国に送られる予定だ。
中国はここ数年、ネパールに対する経済的、外交的な影響力を強めている。ネパールは中国との距離を縮め、エネルギーやインフラ投資を呼び込もうとしている。
ネパールが「サイ外交」を行ったのは今回が初めてではない。これまでに米国への6頭、インドへの4頭を含む22頭のサイを他国に寄贈している。
イッカクサイはかつてネパール南部の平原に何千頭も生息していたが、密猟や生息地への人の侵入によって20世紀後半に約100頭にまで減少。その後の密猟対策や保護活動によって、この10年で約645頭まで回復している。(c)AFP