シリア政府軍、内戦発端の地に国旗掲揚 南部ダルアー市
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【7月13日 AFP】国営シリア・アラブ通信(SANA)は、同国政府軍が12日、南部ダルアー(Daraa)県ダルアー市の反体制派支配地域に入り、同市中心部の大広場に国旗を掲げたと報じた。ダルアー市は2011年にシリア内戦のきっかけとなる反体制デモが起きた象徴的な場所。
同通信は11日、反体制派戦闘員らが市中心部などの支配地区において重火器を引き渡すことで政権側と合意したと報道。またダルアー県をめぐっては先週、停戦が発表され、政権側が県内で3週間近く行ってきた攻撃が停止されていた。
英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、政府軍がダルアー市中心部に入ったことは「象徴」にすぎないと指摘。同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は、「反体制派はダルアー市内にとどまっている」にもかかわらず重火器を引き渡していないと述べた。引き渡しに応じない戦闘員は退去することになっているが、その様子もないという。
同市入りしている活動家のオマル・ハリリ(Omar al-Hariri)氏は、ロシア軍とシリア政府軍の部隊が12日、ダルアー市で国旗を掲揚した後に市内を後にしたと説明。停戦合意に反対する人々は今後数日以内に退去する見通しだとした上で、「そうなって初めて、政権は完全かつ正式に市内入りして視察を開始し、同市を完全掌握したと言える」と語った。(c)AFP