【7月12日 AFP】11日に行われたテニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)の男子シングルス準々決勝で、大会第8シードのケビン・アンダーソン(Kevin Anderson、南アフリカ)に敗れて大会から姿を消した前回王者ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が、「ひどい」敗戦だったと試合を振り返り、自分の中で消化するのは簡単ではないとショックを受けていることを認めた。

 第1シードのフェデラーは先に2セットを取り、さらにマッチポイントも握ったところから6-2、7-6(7-5)、5-7、4-6、11-13で逆転負け。過去にほとんどない痛恨の敗戦を喫し、自身9回目のウィンブルドン制覇へ向けた道のりは、4時間13分の息詰まる熱戦の末、大会史に残る番狂わせを許すまさかの結末に終わった。

 第1セットをわずか26分で奪い、5大会連続のウィンブルドン4強入りへ圧倒的に優位な立場を手に入れながら、勝利が指の先からこぼれ落ちるという結果には、フェデラーも落胆を隠しきれずにいる。

 フェデラーは「正直に言って、(試合中は)精神的な疲労は感じなかった。しかし今は恐ろしいほどの疲れを感じている。とにかくがっくりだ」と話した。

「試合が進む中で、だんだんと相手を驚かせることができなくなっていった。イヤな感触だよ。相手のミスを誘えるだけの良いものがだんだん出せなくなっていった。最後はそこがポイントだったと思う」

「とにかくひどい気分だが、これが現実だ。こういうことになるとは思っていなかった」

 フェデラーのウィンブルドン準々決勝敗退は、セルジ・スタホフスキ(Sergiy Stakhovsky、ウクライナ)に苦杯をなめ、2回戦敗退に終わった2013年大会に次ぐ早期なものとなった。また、ウィンブルドンで2セットアップから逆転負けを喫するのは、準々決勝でジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)に敗れた2011年大会以来2回目となった。

 36歳のフェデラーはこれが20回目のウィンブルドン出場で、初優勝からは15年が経過している。そのため、これが大好きなウィンブルドンで最後の試合になるのかという疑問が出るのは避けられないことだったが、来年また戻ってきてこの借りを返すつもりはあるかとの問いかけに対し、この2年間でグランドスラムを3勝しているフェデラーは、次のように答えている。

「もちろん、目標はまた来年戻ってくることだ。今回の結果を『やり残した仕事』とは呼びたくない。ウィンブルドンではこれまで良い仕事をしてきたと感じているし、だから自分は大丈夫だ。今はただ落ち込んでいるだけだ」

「とにかくここにいるのが好きなんだ。気持ちが良い。家族としても良い時間を過ごしている。ここには素晴らしい思い出がある。僕のヒーローもみんなここで勝っている」

「こうやってここに座って、敗因を説明したくないという思いが、絶対にやってやるぞというモチベーションになっている。テニス選手にとっては最悪の経験だからね」 (c)AFP/Steven GRIFFITHS