【7月11日 CNS】「2018年のインドガンの数はこれまでで最多の3195羽まで増えた。12年から比較して2倍近い数字で、顕著な成果だ」

 中国の民間環境保護団体、緑色江河環境保護促進委員会責任者の楊欣(Yang Xin)氏は中国新聞社(China News Service)の取材に対し答えた。

 世界で7万羽に満たないと言われるインドガンは、絶滅危惧種で、ナショナルジオグラフィック(National Geographic)でも「世界で最も高く飛ぶ鳥類」と賞賛されている。わずか8時間でヒマラヤ山脈(Himalayas)を飛び越える能力を持っている。

 中国・青海省(Qinghai)は同国内でインドガンが最も多く分布する地域のひとつで、重要な繁殖地にもなっている。特に、長江(揚子江、Yangtze River)の源流の一つであるトト河(Tuotuo)が流れる班徳湖(Bande Lake)はインドガンが最も集まる場所として知られ、毎年4月から6月中旬にかけて数千羽がインド、ネパールから飛来して繁殖活動に入る。10月初旬になると、ここで生まれた子どもと一緒に南アジア方面に渡り越冬する。

 2012年4月22日から現在まで、200人以上のボランティアが標高4500メートルの長江の源流地区で、鳥類調査を含めたインドガンの保護活動を行っている。

 楊欣氏は、「今年の繁殖期はボランティアの保護活動のかいあって、卵の盗難被害や人的要因による死亡例などほとんど確認されていない。6月末に実施した調査では個体数は3195羽まで増え、保護プロジェクトを開始した2012年と比べて、個体数は2倍近くに増えている」と話す。(c)CNS/JCM/AFPBB News