叙事詩「オデュッセイア」刻んだ3世紀の粘土板発見 ギリシャ最古の記録か
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【7月11日 AFP】ギリシャ文化省は10日、ホメロス(Homer)の古代叙事詩「オデュッセイア(Odyssey)」の13行が刻まれた粘土板がペロポネソス(Peloponnese)半島のオリンピア(Olympia)遺跡で発見されたと発表した。粘土板はローマ時代の3世紀に遡るとみられ、ギリシャで見つかったオデュッセイアの文字記録としては最古の可能性がある。
古代オリンピックの舞台となったオリンピア遺跡では、ギリシャ考古学当局がドイツ考古学研究所(German Institute of Archaeology)と協力して3年にわたって表層部の発掘を行っていた。粘土板はゼウス神殿の近くで見つかったという。
粘土板には、主人公オデュッセウスがふるさとのイタカ(Ithaca)島に帰還したところを描写した第14歌の一部が刻まれていた。
ギリシャ文化省は、粘土板の年代が確認されれば、ギリシャで「これまでに発見されたホメロス作品の文字記録として最も古いものである可能性がある」としている。
「イーリアス(Iliad)」とともにホメロスに帰せられるオデュッセイアは、紀元前8世紀ごろに吟唱される作品として成立し、後代のキリスト教時代に羊皮紙(パーチメント)に転記された。エジプトでその断片群が少数発見されている。(c)AFP