W杯準決勝に挑むクロアチア監督、優勝したら「誰も仕事に行かない」
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【7月11日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場しているクロアチア代表DFデヤン・ロブレン(Dejan Lovren)は、11日にモスクワで行われるイングランド代表との準決勝で、疲労のたまっているクロアチアの選手たちは人生に一度のチャンスをつかむ準備ができていると語った。
人口わずか400万人のクロアチアは準々決勝でPK戦の末にロシアを下し、1998年大会以来となるW杯ベスト4進出を決めた。
ズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalic)監督が率いるクロアチアは決勝トーナメントに入ってからデンマークとロシアを相手に120分間のプレーとPK戦を強いられており、疲労が一つの要因になりうるという不安がある。
しかし、イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属するデヤン・ロブレン(Dejan Lovren)は、それが因子にはならないと考えている。
試合を翌日に控えた10日にルジニキ・スタジアム(Luzhniki Stadium)で行われた記者会見に出席したロブレンは、「私は完全に準備と体調が整っている。チームメートにも同じことが言えるよ。われわれは必要なことを理解しているし、そうした瞬間にはどんな疲労も忘れてしまうものだ」と語った。
「もしかしたら、人生で一度のチャンスになる。もう一度あるかもしれないが、二度とないかもしれない」
クロアチアは20年前に行われたW杯に独立後初めて出場し、準決勝で開催国のフランスに敗れると、3位決定戦ではオランダを下した。
ダリッチ監督は、偉大な世代が成し遂げたものを上回ろうとすることこそ、ルカ・モドリッチ(Luka Modric)が主将を務めるこのチームにとっての原動力であることを認めた。
W杯欧州予選の終盤に就任したダリッチ監督は、「選手たちのクオリティーを考えると、W杯でクロアチアがベスト4に入ったことは驚かれないだろう」とコメントした。
「この世代は長い間過小評価されてきた。しかし彼らは重要なときに自分たちのクオリティーを示し、1998年大会で3位を獲得した『Vatreni(クロアチア代表の愛称、炎の意)』に近づいた偉大な世代として歴史に残るだろう」
「そのことがわれわれをかき立てるんだ。20年ぶりに準決勝に戻ってきたが、われわれはそれに値する」
「もしクロアチアがW杯で優勝すれば、何が起きるかは想像できない。本当に分からないんだ。おそらく、誰も仕事に行かなくなるんじゃないかな!」
11日の試合でロブレンは、プレミアリーグで実りあるシーズンを送ったままロシアへとやって来た、現在大会得点王のハリー・ケイン(Harry Kane)と再会する。
ロブレンは昨年10月にウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で行われたトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)戦で、リバプールのユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督によってわずか30分ほどで途中交代させられた。この試合ではケインの2ゴールもあり、トッテナムが4-1で勝利している。
当時のことを覚えているかと英国のリポーターに問われたロブレンは、感心しない様子だった。
「何と言っていいか分からない。あの4-1での黒星はまったくの無関係だ」
「なぜ私が良かったときのことを聞かないんだ? あなたは、ただ私の不十分なパフォーマンスのあら探しをしているだけじゃないか」
さらにロブレンは、「私はケインに対して十分に敬意を払っている。彼はプレミアリーグで最高のストライカーの一人であることを毎年証明していて、イングランドの中で最も脅威となる選手の一人だが、彼だけじゃないだろう」と付け加えた。(c)AFP