神経剤被害の男性、意識回復 英国
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【7月11日 AFP】(更新)英イングランド南西部エイムズベリー(Amesbury)で男女2人が神経剤「ノビチョク(Novichok)」にさらされた事件で、被害男性の治療に当たる病院は10日、男性が意識を回復したと発表した。
病院の発表によると、重体となっていたチャーリー・ローリー(Charlie Rowley)さん(45)には「わずかながらも有意義な改善」が見られており、「容体は重篤ながらも安定しており、意識を回復した」という。同じく重体となっていたローリーさんのパートナー、ドーン・スタージェス(Dawn Sturgess)さん(44)は8日に死亡していた。
2人は先月30日、エイムズベリーにあるローリーさんの自宅で、それぞれ異なる時刻に倒れた。近郊のソールズベリー(Salisbury)では3月4日、ロシア人元二重スパイのセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal)氏とその娘のユリア(Yulia Skripal)さんが同じくノビチョクにさらされる殺人未遂事件が発生。親子はいずれも現在までに回復している。
英警察は、ローリーさんとスタージェスさんが多量のノビチョクで汚染された物品に触れたと考えているが、薬物の出どころがスクリパリ氏親子毒殺未遂事件に使われたものと同じだったかは確認できていない。
スクリパリ氏親子の事件について、英国はロシアが関与したと非難。一方のロシアは関与を強く否定し、英当局は証拠を公表すべきだと主張している。(c)AFP