ジョンソン英外相が辞任 EU離脱の夢「死につつある」
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【7月10日 AFP】ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英外相は9日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に関するテリーザ・メイ(Theresa May)首相の方針をめぐり辞任した。首相の方針を受け辞任した閣僚はデービッド・デービス(David Davis)EU離脱担当相に続き2人目で、メイ政権は内部崩壊に陥っている。
EU離脱推進派の筆頭格となってきたジョンソン氏はメイ首相に宛てた書簡で、「ブレグジットは機会と希望をもたらすものであるべきだ。物事のやりかたを変え、より鋭敏でダイナミックになり、オープンで外向きの経済大国としての英国固有の利点を最大限に生かすためのチャンスであるべきだ」とした上で、「その夢は、不要な自己不信によって窒息させられ、死につつある」と指摘した。
ジョンソン氏はまた、EUとの緊密な関係を保つとの方針により英国は「植民地の地位に向かっている」と警告。当初はこの政府方針を受け入れたものの、今ではそれが「喉につかえている」とした。
16日に再開予定のEU側との離脱交渉で行き詰まりを打開することを目指す英内閣は6日、来年3月の離脱後もEUと強固な経済関係を維持するとしたメイ首相の方針を承認。デービス氏と離脱担当省の政務官は8日夜、この方針をめぐり辞任していた。主要閣僚4人のうち2人を失ったメイ氏については、近く不信任投票が実施されるとの見方も浮上しており、同氏の政権と権威は混乱の渦に陥っている。
欧州理事会(European Council)のドナルド・トゥスク(Donald Tusk)常任議長(EU大統領)は、ジョンソン氏の辞任発表直後、ツイッター(Twitter)への投稿で、「ブレグジット構想がデービス氏とジョンソン氏と共になくならなかったことには遺憾の意を抱くほかないが…もしかすると?」と、英国がEU離脱を撤回する可能性への期待をにじませた。(c)AFP