■あいまいになる売春の境目

 香港の25歳未満のセックスワーカーを支援する慈善団体「ティーンズ・キー(Teen's Key、青躍)」の専務理事ボウイ・ラム(Bowie Lam)氏は、インターネット上でクライアントとつながることについて、若い女性たちは誤った安心感を抱きがちだと指摘する。

 ラム氏は、パートタイムガールフレンドが低年齢化している背景にあるのは、ソーシャルメディアがあると考えている。「ネットワーク上でクライアントを選別することができると思い、自らが主体的にコントロールしていると考えてしまう。それが境界をさらにあいまいにしている」

 これらの若い女性は、香港の古くからある歓楽街の怪しげな部屋やバー、クラブなどを拠点としていないために、自らをセックスワーカーと見なしていないことが多い。

 最初は売春の提案をせずにクライアントに会い、テーマパークやディナー、さらにはハイキングなどに連れて行ってもらうこともある。だが、より多くのお金を提示されれば、大抵は売春行為に至る。「少女たちは暴力的に扱われ、時にはレイプされることもある」とラム氏は、AFPに述べた。

■タブーを取り除く

 AFPの取材に香港警察は、「違法売春活動」に対抗するため、ウェブサイト、チャットルーム、フォーラムの取り締まりを行っていると、書面で述べた。香港では個人による「売春行為」自体は犯罪ではないが、勧誘は違法になる。

 保守的な香港社会において、学校や家庭でセックスについて話すことはタブー視されているが、少女たちが自らを危険にさらすことを止めるには、長期的な取り組みによりこのタブーを取り除くことが最も重要だと、ラム氏は訴える。

 ティーンズ・キーは、若年層のセックスワーカーに、健康診断や職業アドバイス、ファイナンシャル・プランニングに至るまでさまざまな支援サービスを提供している。ラム氏は、女性たちが再び夢と希望を抱けるように手助けしたいのだと語る。