タイ洞窟の救援活動で死者、元特殊部隊員が酸欠で
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【7月6日 AFP】(更新、写真追加)タイのチェンライ(Chiang Rai)県にある洞窟に閉じ込められている少年サッカーチームの救出活動で6日、支援に加わっていた同国海軍特殊部隊の元隊員のダイバー1人が酸欠のため死亡した。県副知事が明らかにした。
パッサコン・ブンヤルック(Passakorn Boonyaluck)副知事は「悲しい知らせだが、ボランティアで救援に加わっていた同部隊の元隊員が夜、午前2時ごろに死亡した」と発表。「彼は(洞窟内に)酸素を届ける作業を担っていたが、自分が戻ってくるのに十分な酸素を持っていなかった」と述べた。
このダイバーは、酸素ボンベのほか、洞窟内と救助の前線基地を結ぶ通信回線を少年12人とコーチ1人が避難している場所まで届ける任務を負っていた。しかし、洞窟の奥から戻ってくる途中で、酸素ボンベの残量が足りなくなった。海軍特殊部隊の指揮官によると、意識を失ったダイバーを友人が洞窟の外まで連れ出したが、亡くなったという。
洞窟の入り口から少年らが避難している場所までの往復には11時間かかり、ベテランのダイバーでも疲労困憊(こんぱい)する。水没した洞窟の奥深くから全員を救出する作戦では、子どもたちに潜水を教えて脱出させるという案が検討されていたが、元隊員の死でこの試みの安全性に深刻な疑問が生じている。11~16歳の少年たちの多くは泳げず、潜水経験のある子は皆無だという。
開始から2週間になる少年らの救出活動は、初めて大きな後退を余儀なくされることとなった。(c)AFP/Joe Freeman