【7月6日 AFP】英イングランド南部ソールズベリー(Salisbury)で1日、マスクを装着した捜査当局者が通りを行き交うなか、街中には立ち入り禁止のテープが再び張られた。この事態を受け、町の住民たちの脳裏をよぎっているのは、「一体、何が起こっているのか?」という数か月前と同じ疑問だろう。

 ソールズベリーでは今年3月、ロシア人元二重スパイの毒殺未遂事件が起き、街の人々に衝撃を与えた。最近、ようやく普通の生活を取り戻しつつあったが、今回さらに2人が「正体不明の物質」にさらされ重体となったことで、住民たちは再び落ち着かない日々を過ごすことになりそうだ。

「とにかく、何が起きているのかを知りたい」と、匿名の女性はAFPに語った。また、1日に病院に搬送された重体の2人の近所に住む女性は、「みんな少し不安になっている。何か悪いものなのだろうか。通りで彼ら(被害者たち)とすれ違っていたかもしれない」と述べ、住民らが汚染リスクを懸念していることにも触れた。

 チャーリー・ローリー(Charlie Rowley)さんとドーン・スタージェス(Dawn Sturgess)さんは、ソールズベリーの中心部から約15キロ離れたエイムズベリー(Amesbury)のマグルトン(Muggleton)通りにある住宅で、救急隊員によって発見された。2人の身元は、友人によって確認された。

 警察は当初、ヘロインまたはクラックやコカインの摂取が原因だとみていたが、より詳しい検査行い「患者の具合が悪くなった原因を特定する」としていた。

 今回の事件は、ソールズベリーが国際的な注目を集めた3月の事件の記憶を再び呼び起こすものだ。3月4日の事件では、ロシア人元二重スパイセルゲイ・スクリパリ(Sergei Skripal、66)氏とその娘ユリア(Yulia Skripal、33)さんが神経剤にさらされ、街の中心部のベンチに倒れているのが見つかった。

 スクリパリ氏の事件の時と同様に、予防的措置として、犠牲者が訪れた場所はことごとく封鎖されている。