【7月4日 AFP】同性婚が認められていない香港で4日、扶養家族ビザの申請を却下されたレズビアンの英国人女性に対し、就労権を認める判断を終審法院(最高裁)が下した。

 この女性は英国で同性カップルのために導入された市民パートナーシップを2011年に結んだ。同年、パートナーが香港で就職先を得たため2人で移住。扶養家族ビザを申請したが却下されたため、就労権のない訪問ビザでの滞在を余儀なくされていた。

 最高裁は3日、扶養家族の就労権を異性カップルにのみ制限することは「非生産的だ」との判断を下し、長期間かかった法廷闘争に決着をつけ、この女性が同性パートナーと共に生活し、労働する権利を認めた。

 また最高裁は「家族を呼び寄せられるかどうかは、香港への移住を決める人々にとって重要な問題だ」と述べ、必要または望ましいとされる才能や技術を持つ者は、異性愛者でも同性愛者でも就労ビザが付与されるとの見解を示した。

 香港では現在、同性婚や同性愛者の市民的結合は認められていない。

 女性側の弁護士、マイケル・ビドラー(Michael Vidler)氏は、香港の最高裁が同性カップルの権利に関する判断を下したのは今回が初めてだと述べ、「うまくいけば今回の判決は変化への道を開き」、同性婚承認へとつながるだろうとコメントした。

 今回の裁判は、才能ある人材を引き付けるには多様な雇用の実践が重要として、米投資銀行大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、米金融大手モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)といった主要金融機関が支援していた。(c)AFP/Elaine YU