レジ袋廃止の豪大手スーパー、客の怒りの矛先が従業員に 首絞める例も
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【7月3日 AFP】オーストラリアの大手スーパーマーケットチェーンが使い捨てレジ袋の配布を取りやめたものの、従業員らが顧客から相次いで嫌がらせを受け、中には激怒した顧客に首を絞められるといったケースが起きていることが明らかになった。
大手スーパーマーケットの「ウールワース(Woolworths)」と「コールズ(Coles)」は昨年、全国各地の店舗で無料のレジ袋を廃止し、代わって環境にやさしい再利用可能な1枚15豪セント(約12円)の袋を提供する方針を発表。
コールズは今月1日にレジ袋の配布を取り止め、ウールワースは6月20日に先のシステムを導入する予定だったものの、顧客から苦情が寄せられ、怒りの矛先が従業員に向けられていることを受けて、10日間延期した。
スーパーの従業員らが加入する労働組合「SDA」が実施した調査によれば、これまでに回答した両社の従業員141人のうち61人が、顧客から横暴な振る舞いを受けたと明かしている。
2日にAFPの取材に応じたSDAの幹部ベン・ハリス(Ben Harris)氏は、ウエスタンオーストラリア(Western Australia)州で起きたケースを紹介。男性客に無料のレジ袋は用意されていないと告げた女性従業員が、大声でののしられ、この従業員は無料でレジ袋を複数枚提供し謝罪した。
しかし、男性客はセルフサービスのレジで商品をスキャンする際に2度失敗し、手伝いに来たこの従業員の背後に回り、腕を使って首を絞めたという。
SDAのジェラード・ドワイヤー(Gerard Dwyer)書記長は「スーパー側の対応が変更されたことで、一部の顧客は怒りを感じるかもしれないというのは理解できる。だがスタッフに対する、横暴で暴力的な振る舞いの言い訳には全くならない」と主張している。(c)AFP