地中海で今年死亡した移民1000人超える、マルタではまた救助船抑留
このニュースをシェア
【7月3日 AFP】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2日夜、先月29日から今月2日までの4日間に地中海で300人以上の移民が死亡したと発表した。国際移住機関(IOM)の統計によると、2018年に入って今月2日までに地中海で死亡した移民・難民の数は1000人を超えた。
UNHCRのリビア事務所は、移民船がリビア沖で沈没し114人が行方不明になっているとツイッター(Twitter)で明らかにした。先月29日にも移民船の沈没があり、16人の若い男性が救助されたが、乳児3人が死亡、乳児2人と12歳未満の子ども3人を含む100人以上が行方不明になっている。
またリビア海軍によると、同国沖で移民を乗せたゴムボートが沈み、ライフジャケットを着用していた41人が救助されたが、乗っていた104人のうち63人が行方不明になっている。救助された41人に加え、同海域で行われた別の2回の救助活動で助けられた子ども54人と女性29人を含む235人が、リビア沿岸警備隊の船で2日、リビアの首都トリポリに到着した。
最新の海難事故によるものを含めると先月29日から今月1日までの間に地中海で行方不明になった人は約170人に上った。
一方、ドイツの非政府組織(NGO)「シーウオッチ(Sea-Watch)」がウェブサイトで明らかにしたところによると、同組織の救助船「シーウオッチ3(Sea-Watch 3)」が2日、地中海中部の島国マルタで、法的根拠を示されないままマルタ当局に抑留された。マルタ当局は先月27日にも、救助した移民234人を乗せたドイツのNGO「ミッション・ライフライン(Mission Lifeline)」の救助船「ライフライン(Lifeline)」を抑留していた。(c)AFP