【7月1日 AFP】性的嫌がらせや性的暴行被害の告発運動「#MeToo(私も)」が拡大するスウェーデンで1日、明白な合意のない性行為をレイプと見なす新法が施行された。新法では、性行為に及んでいる当事者らのうち、一方が自由意志で行為に参加していない場合、もう一方の行為はレイプと見なされる。

 これまでレイプは暴力や脅しを伴う性行為と定義されていた。だが政府発表によれば、今後は暴力や脅迫を伴わない性行為や、被害者の弱い立場につけこんだ性行為でなくてもレイプの罪で起訴されることもあり得る。

 新法はレイプ事件を裁く判事らに対し、性行為の際に言葉や身ぶり、その他の行為によって合意の表現が成されたか否かに注視して判決を下すよう求めている。

 一方、新法の制定に関わったアンナ・ハネル(Anna Hannell)裁判官はスウェーデン通信(TT)に対し、性行為への合意を示すのに「アプリのイエスボタンを押すとか、口頭で正式に『はい』と言う必要はない」と述べ、自ら身体的に性行為に関わっていれば合意の合図と見なされると語った。

 最新の公式統計によると、スウェーデンでは昨年に報告されたレイプは7000件を超えており、前年比で10%増加している。

(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT