ボコ・ハラムが国内避難民キャンプを襲撃、4人死亡 ナイジェリア
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【7月1日 AFP】ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州で6月29日、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」が国内避難民キャンプを襲撃し、4人が死亡した。治安当局が同30日に明らかにした。
カメルーンとの国境に近いボルノ州バンキ(Banki )にあるこのキャンプには、過激派の襲撃を恐れて逃れてきた市民らが暮らしている。同地区の軍当局者によると29日夜、ボコ・ハラムの武装集団が自転車や徒歩でキャンプ内に侵入して発砲。4人を殺害、4人を負傷させた。キャンプ外にいた兵士と警官らが銃声を聞きつけ、武装集団と1時間にわたって銃撃戦を展開し、2人を殺害したが、残りのメンバーらは物資を奪って逃走したという。
政府軍を支援する民兵によると、避難民キャンプの周囲には急襲を防ぐ目的で溝が掘られている。このため、キャンプの入り口にいた警備員は油断していたとみられ、武装集団ははしごを用いて溝を乗り越えていた。状況を総合的に判断すると襲撃は食料目当てとみられる。
さらに避難民キャンプ襲撃から数時間後、9キロメートルほど離れた村落フリータウン(Freetown)で政府軍の巡回車両がボコ・ハラムの設置した地雷に触れ、乗っていた兵士2人が負傷したという。
■9年間で2万人が犠牲に
ボルノ州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)から南東に130キロメートル離れたバンキの広大な避難民キャンプでは約4万5000人が暮らす。キャンプが開設された2015年3月当時は比較的治安は安定していたが、以降、ボコ・ハラムの襲撃が繰り返され、今年2月にも食料や衣料品を目的にキャンプを襲撃したボコ・ハラムを兵士が撃退している。
ナイジェリア北東部を主な拠点に厳格なイスラム法による統治を目指すボコ・ハラムの9年におよぶ武力闘争で、これまでに2万人以上が殺害された。(c)AFP