仏警察、中国企業所有のワイン醸造所10軒を差し押さえ 脱税などの容疑
このニュースをシェア
【6月30日 AFP】フランスの財務警察は、中国のコングロマリット海昌集団(Haichang Group)が所有するボルドー(Bordeaux)地方のワイン醸造所10軒を、脱税などの容疑で差し押さえた。警察筋が29日、AFPに明らかにした。
中国北東部の大連(Dalian)に拠点を置く海昌集団は、近年ワインの名産地ボルドー地方で買収を行っている数多くの中国の投資家・投資会社の中でも最大手。
海昌集団は有名ブランドのワインの数々を生産する醸造所24軒を、5500万ユーロ(約71億円)で買収したとみられている。しかし財務検察官はここ数年間、この海昌集団の買収について調査を行ってきた。
警察筋は「醸造所10軒について、脱税で得た金の資金洗浄、文書偽造、偽造文書の行使など一定数の租税犯罪が発覚した」「今年第2四半期、われわれは不正に取得された醸造所を差し押さえた」とAFPに語り、テレビ局フランス2(France 2)の報道を裏付けた。
捜査官らはビジネス上のつながりがないフランス企業と国外企業の間で行われた取引の証拠を発見したほか、中国最大の銀行・中国工商銀行(ICBC)パリ支店が、偽造された証書に基づき3000万ユーロ(約39億円)を貸し付けていた事実も発覚した。
海昌集団パリ支店の弁護士はAFPに対し「われわれはこの差し押さえ命令に対する不服申し立てをした。これは売却を防ぐためのものに過ぎず、何らかの犯罪を示唆するものではない」と語った。(c)AFP