【6月30日 AFP】西アフリカのマリで29日、サヘル5か国(G5 Sahel=ブルキナファソ、チャド、マリ、モーリタニア、ニジェール)でつくるテロ対策特別部隊「サヘル5か国合同軍」の司令部が自動車爆弾による攻撃を受け、治安筋と地元首長によれば、兵士2人と民間人1人が死亡した。負傷者も多数出ている。

 特別部隊の軍関係筋はAFPに対し、「金曜礼拝の直後、国連(UN)の色に塗られた車に乗った自爆犯1人が、セバレ(Sevare)のG5基地の入り口で爆発を起こした。大きな爆発だった」と語った。

 同部隊の内部関係筋と、セバレがあるモプティ州の州都モプティの知事によれば、爆発で同部隊の兵士2人と民間人1人、攻撃者2人が死亡。また、容疑者4人が逮捕された。

 同部隊は2017年、不安定な状況にある広大なサヘル地域でイスラム過激派反政府勢力や犯罪集団を撃退するため、フランスの支援を受けて創設された。司令部への攻撃はこれが初めて。

 来月2日には、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領とG5サヘルの首脳らが、モーリタニアの首都ヌアクショット(Nouakchott)で同部隊の活動の進展について協議する予定となっている。

 国連は26日、同部隊に参加しているマリ兵らが5月、マリ中部の市場で、しかるべき手続きを経ずに民間人12人を処刑していたとの調査結果を発表した。処刑は兵士1人が死亡したことへの報復として行われたという。

 フランス軍司令部は29日、セバレでの攻撃に先立ち、同国のマリ派遣部隊、通称「バルカン(Barkhane)」の兵士らが22日行った地元部隊との合同作戦で、イスラム過激派15人を殺害または拘束したと明らかにしていた。(c)AFP