道具作るカラス、「リバースエンジニアリング」で作製 研究
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■文化的伝承
長い間明確な答えが出ない状況を打破するために、テイラー氏と研究チームは野生のカラス8羽を捕獲し、ご褒美の餌を自動給餌機から取り出すために、大きさがさまざまに異なる紙片を給餌機に投入するように8羽を訓練した。
その後の実験でカラスは、大型のカードを与えられると、ご褒美の獲得に成功した紙片に近い大きさと形状の紙片を作るために、そのカードを引き裂いた。
「カラスは参照基準なしで、道具の大きさや形を再現できた。カードから『道具』を作る際に参考にできる道具は存在しなかった」と、テイラー氏は指摘する。
カラスによる対象の再現を可能にしたと考えられる唯一の方法は「道具の大きさと形の心的テンプレートを記憶に」留めておくことだ。
実際、ニューカレドニアのカラスは野生において、他のカラスの道具の作り方を注視したり、手本にしたりしてはいないように見える。
だが、このことが、カラスが考案する道具が文化的に伝承される可能性がないことを意味するわけではない。
「累積的文化進化は、アイデアの自然淘汰(とうた)だ。最善のアイデアをまねて、さらに改良を加える」と、テイラー氏は説明する。「改良の中には、うまくいくものもあれば、いかないものもある。そして最良のものが模倣され、継承されていく」(c)AFP/Marlowe HOOD