【6月29日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)では、女性のスポーツジャーナリストたちが生中継のコメンテーターを務めるという歴史を作っている――しかし、彼女たちはただ性差別的な侮辱を浴び、ソーシャルメディアで冷笑の的になるという憂き目に遭っている。

 テレビのスポーツ番組の現場は、徐々に女性の司会者やコメンテーターも増えてきているが、サッカーの主要大会の実況中継はこれまでほぼ男性だけの世界だった。

 そして、その状態を必死に守りたがっている一部のファンが、ツイッター(Twitter)などのソーシャルメディアで怒りを発散させている。

 英BBC放送のビッキー・スパークス(Vicky Sparks)氏が、同僚の男性コメンテーターと共に実況中継をすると、あるサッカーファンは「古臭いと言われてもいい。女性コメンテーターはごめんだ」というコメントを投稿し、さらに「またも、BBCお得意のポリティカル・コレクトネス(偏見や差別を含まない中立的な発言や行動)だ」とあざ笑った。

 この他にも「女性コメンテーターは使いものにならない」、ファンを「ドン引きさせる」といった投稿や、ジェンダーの平等に関する調査でテレビ局が「はい、に丸を付けられる」ようにするためだとか、女性の「金切り声」が観戦を台無しにするといった批判が相次いだ。

 元イングランド代表主将、ジョン・テリー(John Terry)氏は、モロッコ対ポルトガル戦を自宅のテレビで見ている写真をインスタグラム(Instagram)に投稿したことで、問題になっている。テリー氏は「この試合を、音声を消して見ている」と書いていたからだ。だが、怒りのコメントが多く寄せられると投稿を削除し、夜遅くモルディブでの休暇から戻って来たら、テレビの音声が出なくなっていた、と説明した。