【6月28日 AFP】中東歴訪中のウィリアム英王子(Prince William)は27日、英王室メンバーとして初めてパレスチナ自治区を訪れ、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長と会談した。その際には、王子が国際的には国と認められていないパレスチナ自治区を「国」と呼んでしまう一幕もあった。

 王子はヨルダン川西岸(West Bank)のラマラ(Ramallah)でアッバス氏と会談。原稿なしで「歓迎していただいてありがとう。われわれ2か国(two countries)がこのように緊密に協力し、過去に教育・救済事業で成功を収めていることをとてもうれしく思う」と議長に述べた。

 西側諸国は、パレスチナ自治区を国と呼ぶことを控え、代わりに将来の「2国家共存」でのパレスチナ国家樹立を支持すると表明するのが通例。国連(UN)でも、パレスチナはオブザーバーの地位は得ているものの完全な加盟国とは認められていない。

 王子は現地でパレスチナをめぐる微妙な言葉の問題に巻き込まれた格好だ。(c)AFP