【6月27日 AFP】26日に行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のナイジェリア対アルゼンチン戦を観戦に訪れた、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏。苦境のアルゼンチンがジェットコースターのような試合で勝利を収めるまで、毎プレーのように声を上げ、リアクションを取り続けたマラドーナ氏だが、試合が終わった今上がっているのは、同氏の健康状態を心配する声だ。

 この日のサンクトペテルブルク(St. Petersburg)で、ピッチ上の主役がリオネル・メッシ(Lionel Messi)だったとすれば、ピッチ外で圧倒的な注目を集めたもう一人の主役が、スタンドのVIP席からアルゼンチンを見守ったマラドーナ氏だった。

 57歳のサッカー界のレジェンドは、まずは手始めとばかりにナイジェリアの女性ファンと楽しくダンス。試合開始直前には、自身に拍手を送るファンに手を振ってあいさつした。

 試合が始まると、緊張感が高まる中、開催国ロシアのテレビカメラは頻繁にマラドーナ氏のカットを抜き、メッシが前半の早い時間帯に先制点を挙げた際には、同氏が歓喜の雄たけびを上げ、両手を胸の前で交差させて天を仰ぐ姿が映し出された。

 その後、試合が進むにつれて疲れてしまったのか、ハーフタイム直前には椅子にへたり込む様子も。しかし後半開始直後、アルゼンチンを敗退に追い込みかねないナイジェリアの同点PKが決まった後は、そわそわがどうにも止まらず、母国の破滅の時が刻々と近づく後半35分ごろには、見ていられないといった様子で顔を手で覆った。

 それでも迎えた試合終了4分前、マルコス・ロホ(Marcos Rojo)の会心の逆転ボレーが決まると、マラドーナ氏は感情を爆発させ、下品な言葉を叫び、ピッチに向かって両手の中指を立ててみせた。そしてアルゼンチンは、神経の参るような試合の末に2-1の勝利を収め、ベスト16入りを決めた。