イングランドファンに観戦禁止処分、ロシアW杯開催地で反ユダヤの歌
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【6月27日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)が行われているロシアで、ユダヤ人を侮辱する歌を歌ったイングランドのファン2人が26日、英裁判所から3年間の代表戦の観戦禁止処分を言い渡された。
処分を受けたのは52歳と58歳の男2人。反ユダヤ的な歌を歌っているところが映像にとらえられたため、イングランドへ帰国した後にリーズ(Leeds)の治安判事裁判所へ出廷。3年間の禁止処分を科された。
担当の治安判事は、2人の行いを「恥ずべきこと」と断じ、事情を聞く過程で2人がこの後のW杯の試合の観戦チケットを持っていることも分かったが、「残念ながら自業自得である」として観戦を認めなかった。
2人は2021年まで、イングランド代表の試合が行われている会場の半径約3キロメートル以内に近づくことができない。23日には、2人と同様の行為に及んでいた別の57歳の男が、5年間の観戦禁止を言い渡された。
この件では、前週イングランド対チュニジアの試合が行われたボルゴグラード(Volgograd)市内のバーで、数人のイングランドサポーターが反ユダヤの歌を歌い、ナチス・ドイツ(Nazi)式のポーズをとっている動画がインターネットで出回ったことから、英警察が捜索を行っていた。かつてスターリングラード(Stalingrad)と呼ばれたボルゴグラードは第2次世界大戦(World War II)中、ソ連とナチス・ドイツとの間で史上まれに見る凄惨(せいさん)な戦闘が発生した場所でもある。
イングランドサッカー協会(FA)は、広報を通じて「動画内の人物たちの行動」を非難し、「動画内の個人の恥ずべき行いは、ロシアでチームを支えている大多数のイングランドサポーターの価値観を示したものではない」と述べた。
英警察でサッカー担当のトップを務めるマーク・ロバーツ(Mark Roberts)本部長も、ほとんどのイングランドファンは「行く先々で友人をつくる」など、ロシアで「見事な」振る舞いを見せていると話し、「ロシアで事件があった場合は、帰国後に速やかに対応している」と明かした。(c)AFP