【6月27日 AFP】ロシアの首都モスクワ近郊で今年2月に旅客機が墜落し、乗客乗員71人全員が死亡した事故で、ロシア当局は26日、ブラックボックスの解析を基に、事故原因は乗員による「誤った行動」だったと発表した。機体が上昇中、熱感知センサーのスイッチを入れず、これが装置の凍結につながったという。

 2月11日に起きたこの事故では、ロシアのサラトフ航空(Saratov Airlines)のアントノフ(Antonov)An-148型機がモスクワのドモジェドボ空港(Domodedovo Airport)を離陸した直後、モスクワの南東およそ70キロの原野に墜落。搭乗していた乗客65人と乗員6人の全員が死亡した。

 事故を受け、サラトフ航空は同型機の使用を停止した。

 ロシアの連邦捜査委員会(Investigative Committee)は26日の声明で「ブラックボックスから回収したデータによると、パイロットは機体の上昇中、熱感知センサーのスイッチを入れなかった。これが装置の凍結につながった」と指摘。「事故は乗員による誤った行動によって引き起こされた」と結論づけた。

 同委によると、ワレリー・グバノフ(Valery Gubanov)機長は、機体の速度低下について不正確な情報を受け取り、同機を急降下させて速度を上昇させることを決断。それから機体は制御不能に陥ったという。

 今回の結論は、ロシアの専門家が事故の数日後に示した見解を裏づけるものとなった。(c)AFP