中国で退役軍人らが抗議デモ、警察が介入し解散
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【6月25日 AFP】中国東部で24日、処遇改善を求めるデモの最中に暴行を受けたとして、退役軍人らが繰り広げていた抗議活動が、警察当局によって解散させられた。複数の目撃者が25日、AFPに明らかにした。
同国では、一般市民による異議申し立てに対して当局が容赦することはほとんどない。だが中国人民解放軍(People's Liberation Army)とその退役軍人は英雄として尊敬を受けているため、江蘇(Jiangsu)省鎮江(Zhenjiang)で行われた退役軍人による抗議活動は、24日に警察が介入するまで数日にわたって継続された。
退役軍人を支援する目撃者の一人はAFPに対し、「多数の武装警察官が24日、政府当局者と共に現れ、強制的に全員を帰らせた。一部の人々が拘束されたが、彼らの行方は分からない」と述べた。
今月には公共施設の外で、警備員が退役軍人の高齢者グループに暴行を働いたとする未確認の情報が伝えられ、それを受けて全国各地から退役軍人数百人が鎮江に集まったと、複数の目撃者らは説明している。
安全上の懸念から匿名で取材に応じた地元の学校教師はAFPに対して、「退役軍人らは非常によく組織化されており、テントと食料も備えていた。そして毎日、鎮江の人々が加わって退役軍人を支援していた」と話した。
別の目撃者の動画には、「われわれは共産主義者であり、犯罪者ではない」と書かれた赤い横断幕を掲げて行進する兵士らの姿が捉えられている。
抗議活動を捉えた映像は中国版ツイッターの微博(ウェイボー、Weibo)で検閲されているとみられるが、同国でアクセスを遮断されているツイッター(Twitter)上には、未検証の動画が投稿されている。
同国では近年、多くの退役軍人が、恩典が与えられていないとして政府に対する抗議を行っている。こうした抗議活動は共産党政権にとって頭痛の種となっており、今回の一連のデモは、世界最大規模の軍隊を持つ中国軍の元兵士らが、より良い処遇を求める活動を長年にわたって繰り広げている事実を浮き彫りにしている。(c)AFP