フィリピン軍、ゲリラ掃討作戦で同士打ち 警官6人死亡
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【6月26日 AFP】フィリピンのサマール(Samar)島東部で25日、同国陸軍の部隊が、ともに共産ゲリラ掃討作戦に共に参加していた警察官らをゲリラと誤認して銃撃し、警官6人が死亡、9人が負傷した。当局が26日、明らかにした。陸軍側の被害は不明。
サマール島は、49年前から反政府闘争を続けるフィリピン共産党(CPP)の軍事組織「新人民軍(NPA)」の最後の拠点の一つ。フィリピン政府はこれまで、アジアでも最も長い部類に入るNPAの反乱を終結させる平和交渉を断続的に行ってきたが、25日を前に直近の交渉は中断していた。
警察によると、銃撃された警官たちは首都マニラから南東約550キロに位置する町サンタリタ(Santa Rita)周辺の密林地域を巡回中だった。誤射に関与した部隊の報道官はAFPに「密林地帯では植物が生い茂っていて、どこに警官が配置されているのか見えなかった」「銃撃を終えて初めて、対戦していた相手は警官だったとわかった」と説明した。同士打ちは30分間続いたという。報道官は、誤射が起きた経緯を解明するために現在、警察と共同で徹底した捜査を行っていると語った。
政府統計によると、49年におよぶNPAのゲリラ闘争では、これまでに3万人が犠牲になったとみられている。(c)AFP