もう外食は無理? トランプ政権幹部、相次ぎ退店や罵倒の憂き目に
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【6月26日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の下で働くと、夜の外食も楽しめなくなるのだろうか? この1週間、トランプ政権の幹部が外食中に反トランプ派の標的にされる事態が相次いでいる。
サラ・サンダース(Sarah Sanders)大統領報道官の一行は22日夜、バージニア州レキシントン(Lexington)のレストラン「レッド・ヘン(Red Hen)を訪れた。着席してコースメニューの最初の料理を食べていたところ、経営者がやって来て、従業員の一部から苦情が出ているので退店してほしいと言われたという。
店のオーナーシェフ、ステファニー・ウィルキンソン(Stephanie Wilkinson)さんは「この店には誠実さや思いやり、協調といった守るべき基準がある」とサンダース氏に説明したうえで、「お引き取り願いたい」と告げたと説明している。
公務外の場で市民らの反発に直面する羽目になったのはサンダース氏だけではない。
スティーブン・ミラー(Stephen Miller)大統領補佐官は、首都ワシントン繁華街のメキシコ料理店で食事中、怒った客の1人から「ファシスト」と怒鳴りつけられた。
キルスティン・ニールセン(Kirstjen Nielsen)国土安全保障長官も別のメキシコ料理店で、店になだれ込んできた左派のデモ隊に「恥知らず!」などと繰り返し罵声を浴びせられて、早々と店を出ている。
ニールセン氏はそれだけでなく、バージニア州アレクサンドリア(Alexandria)の自宅前でも抗議デモに遭っている。
■トランプ氏は反撃
米国の政治情勢は二極化が進み、足元ではトランプ政権が打ち出した厳格な不法移民対策がメキシコとの国境で危機を生み出している。それだけに、ミラー氏やニールセン氏の場合はメキシコ料理店という選択自体も無神経だと批判を浴びている。
目下のところレッド・ヘンは、保守派からはボイコットの対象、民主党側からは称賛の的となっている。ただ、民主党支持者も全員がもろ手を挙げてレッド・ヘンをたたえているわけではない。
オバマ前政権の大統領上級顧問だったデービッド・アクセルロッド(David Axelrod)氏は(Twitter)に「大統領報道官とその家族がレストランから追い出されたのを左派の人たちが称賛していることはいささか驚きだし、ぞっとさせられる」と投稿。「結局のところ、これはトランプ氏が描くような米国にとっての勝利だ。今や米国は赤い皿と青い皿に分断されてしまっている。悲しいことだ」と続けた。
トランプ氏はサンダース氏の一件を受けて、25日朝にこうツイートした。「レッド・ヘンは、サンダースのような素晴らしい人間へのサービス提供を拒否するよりも、店の汚らしいひさしやドア、窓(ペンキの塗り直しが必要だ)の掃除にもっと力を入れるべきだ。これは外れたことがないが、見た目が汚いレストランは中も汚い!」 (c)AFP/Sebastien BLANC