喪に服す女性の壁画、パリ同時襲撃事件現場横に バンクシーの作品か
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【6月26日 AFP】2015年11月の仏パリ同時襲撃事件で現場の一つとなった劇場「バタクラン(Bataclan)」の横に、喪に服す女性の壁画が現れた。英覆面アーティスト、バンクシー(Banksy)の最新の作品と考えられている。
パリではここ数日、バンクシーのものとみられる壁画が相次いで見つかっており、ステンシルによる今回の壁画で8点目。
バタクランでは2015年11月13日、米ロックバンド、イーグルス・オブ・デス・メタル(Eagles of Death Metal)がコンサートを行っていたところをイスラム過激派が襲撃。90人が死亡、襲撃を逃れるため数百人が非常口から逃げた。壁画はこの非常口の横に描かれている。壁画を見た人の中には、バンクシーがパリに痛切な別れの言葉をささげているとの見方もあった。
この他にも最近、難民の一時収容施設だった建物付近にバンクシーのものとされる壁画が見つかった。壁画にはナチス・ドイツ(Nazi)のかぎ十字の上にピンク色の壁紙の模様を塗り重ねている黒人の少女と寝袋、テディベアが描かれている。この壁画でバンクシーは移民に対する取り締まりをめぐりフランス政府を批判する狙いがあった。
しかし壁画の一部は24日夜、青のスプレーペイントで塗りつぶされ、かぎ十字と少女の頭、胴体が覆い隠された。バンクシーのファンらは25日、アクリルガラスを使い、最近見つかった他の壁画の一部を保護する作業を始めた。
長らく難民支援を支持してきたバンクシー本人は、これらが自分の作品であるとまだ認めていない。(c)AFP/Fiachra GIBBONS