【6月25日 AFP】韓国と北朝鮮の両国は25日、朝鮮戦争(Korean War)の開戦から68年を迎えた。米朝首脳会談実現後の融和ムードの中、北朝鮮はお決まりの対米非難を控え、一方の韓国は、北が軍事境界線に配備している兵器の移動に関する協議に着手したと発表した。

 1950年6月25日、北朝鮮は韓国への大規模な侵攻を開始。北側は、米国の世界支配計画が1953年まで続いた同戦争を招いたと非難してきた。

 よって毎年この日は、政府から厳しい統制を受けている北朝鮮公共メディアが、米国を罵倒する文言を並べるのが常となっていた。

 しかし今年は金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長とドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がシンガポールで歴史的な首脳会談に臨み、握手を交わしてから2週間足らずとあって、例年とは異なり対米非難は鳴りを潜めた。

 朝鮮労働党機関紙「労働新聞(Rodong Sinmun)」は、「敵を全滅させようというわれら人民の団結が、世界をもっと驚かせた」と報道。ただその敵について、名指しはしなかった。

 米国の「帝国主義」に対する痛烈批判を重ね、「無数のコリアンを残忍かつ野蛮極まる方法で虐殺」したとして全6ページにわたって非難を展開した昨年とは、対照的な形だ。

 一方韓国側で開かれた式典では李洛淵(イ・ナギョン、Lee Nak-Yon)首相が、北朝鮮による軍事境界線上からの長距離砲の撤去に関する協議が行われていると明かした。(c)AFP